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待つだけでは成長できない。組織の中で自ら成長をつかみにいく方法
社会人として組織に属していると、「上司から与えられる仕事をこなしていれば、自然と成長できるはず」と思いがちです。確かに業務経験を積むことで知識やスキルは増えていきます。しかし実際には、ただ待っているだけで劇的に成長することはほとんどありません。
では、同じ職場にいても「ぐんぐん成長する人」と「なかなか変わらない人」の違いは何でしょうか?
答えはシンプルです。 自分で考え、自分から成長の機会をつかみに行けるかどうか。
今回は、そんな姿勢を体現したある社員Aさんの例を交えながら、組織の中で成長を加速させる方法を紹介します。
1. 与えられたタスクを「成長の実験場」にする
Aさんは入社3年目の社員。特別なスキルがあるわけではありませんでしたが、「プレゼンが苦手」という課題を感じていました。
通常業務では、最低限の資料があれば十分。ですがAさんはあえて「小さな説明会でも必ずスライドを用意する」と決め、アウトプットの量を増やしていきました。
最初は時間ばかりかかり、上司に「そこまで丁寧にしなくても…」と言われたこともあります。
けれど、繰り返すうちに「見やすい構成」「相手に伝わるレイアウト」のコツがつかめてきます。半年後には「Aさんの資料はわかりやすい」と評価されるようになり、大きなプレゼンの機会も任されるようになりました。
Aさんはこう振り返ります。
「最初は大変でしたが、普通の業務を“練習の場”に変えるだけで、自分の成長速度が一気に上がったと実感しました。」
日々のタスクは“こなすもの”と考えるか、“鍛える場”と捉えるかで意味が大きく変わります。
2. 任務達成の“手段”を工夫してみる
あるときAさんは会議の議事録を任されました。
普通にまとめるだけなら30分で終わる仕事です。
しかしAさんは「読む人にとって価値がある議事録にしたい」と考え、要点を整理し、見やすい表を挿入しました。さらに「決定事項」と「今後の課題」を分けて記載することで、誰が読んでも理解しやすい形にしたのです。
結果、上司から「この形式はわかりやすい。他の人も参考にしてほしい」と言われ、社内でAさんの議事録フォーマットが採用されることになりました。
任された仕事を「言われた通りにやる」で止めるのか、それとも「どうすればより良くなるか」と一歩踏み込むのか。
この差が、スキルだけでなく社内での信頼にも直結します。
3. 自己投資でパフォーマンスを高める
Aさんの成長を支えたもう一つの要素は「自己投資」です。
自己投資といっても、必ずしも資格取得や海外留学のような大きなものではありません。Aさんはまず小さな投資から始めました。
- スキル投資:資料作成の本を買って学び、すぐに実務で試す
- 知識投資:業界誌を定期購読して最新トレンドを把握
- 環境投資:効率の上がるソフトに課金し、作業スピードを改善
Aさんは「時間やお金を投資することで、今の自分では得られない経験を先取りできる」と実感したと言います。
ここで一つ例を挙げましょう。
あなたが動画編集の実績ゼロで「フリーの編集者になりたい」と思ったとします。サイトに1本4,000円の案件がありました。今のスキルでは5時間はかかりそう。時給にすると800円。最低賃金以下です。
さて、あなたならどうしますか?
Aさんなら「やります」と答えるでしょう。
なぜならこれは「時給800円の労働」ではなく「スキルアップと実績を得る投資」だからです。
短期的には損に見えても、経験が積み重なれば仕事は早くなり、単価も上がる。まさに未来の自分への投資です。
成長には時間的な投資や金銭的な投資が欠かせない。 Aさんはこれを体感しながらキャリアを積み重ねていきました。
4. 視点を変えれば、業務は成長の宝庫

Aさんのように特別な権限がなくても、日常業務を「練習台」に変えるだけで成長のきっかけは無数にあります。
- 単純作業も「正確さ」「効率化」を意識すれば改善力が磨かれる
- 他部門との調整は「交渉力」「伝達力」を鍛える機会になる
- 報告書やメール作成は「文章力」「論理力」のトレーニングになる
つまり、業務を「仕方なくやるもの」と思うか、「未来をつくる教材」と捉えるかで、キャリアの伸び方はまったく違ってくるのです。
5. 成長を継続させるための3つのポイント
最後に、Aさんが実践していた「成長を継続させる習慣」を紹介します。
- 目的意識を持つ
ただやるのではなく「この業務で何を鍛えるか」を決める。 - 小さく工夫する
資料の色を整える、議事録を少し見やすくする。小さな工夫が積み重なって大きな成長になる。 - 学びをすぐ実践する
本やセミナーで得た知識を翌日の業務で試す。これを繰り返すと投資の効果が最大化する。
まとめ
Aさんの事例からわかるように、成長は「上から与えられるもの」ではありません。
タスクを実験場にし、任務の手段を工夫し、時間やお金を投資して未来の自分に返す。
このサイクルを自ら回していける人こそ、組織の中で大きな成長を手に入れます。
環境に期待して待つのではなく、自分で未来をつかみに行く。
あなたの目の前の仕事も、視点を変えれば成長の宝庫です。