自己肯定感を高める7つの方法|日常で無理なく続ける習慣

公開日:2025年9月22日
最終更新日:2026年10月16日
失敗したことばかり思い出す。人と比べて、自分にはできることが少ないと感じる。褒められても、素直に受け取れない。そんなとき、「もっと自信を持たなければ」と自分を急かすと、かえって苦しくなることがあります。
自己肯定感は、いつも前向きでいることや、自分の欠点を見ないことではありません。うまくいかないときも含めて、自分を必要以上に否定せずに受け止める感覚です。
自己肯定感は、生まれたときから変わらない性質ではありません。年齢や経験、周囲との関係によって変化することが、長期的な研究でも示されています。一方で、特定の習慣を行えば、誰でも短期間で高められるとまでは言えません。
この記事では、毎日の中で試しやすい7つの方法を紹介します。全部を行う必要はありません。今の自分に合いそうなものを、一つ選ぶところから始めてください。
自己肯定感を高めるときに大切なこと
自己肯定感を「高い・低い」だけで判断すると、自分を評価する新しい物差しが増えてしまいます。落ち込む日や自信を失う場面があるのは自然なことです。
目指したいのは、常に自分を好きでいることではなく、失敗したときに自分全体を否定せず、必要に応じて休む、助けを求める、別の方法を試すといった選択ができる状態です。
方法1.できたことを、具体的に記録する
大きな目標だけを基準にすると、途中まで進んだことが見えにくくなります。「資料を完成させた」だけでなく、「ファイルを開いた」「見出しを一つ考えた」のように、実際に行った行動を小さく記録します。
- 予定どおりに起きられた
- 分からないことを一つ質問できた
- 疲れていることに気づいて休憩した
- 途中でやめた活動に、もう一度戻れた
毎日三つ書くなどの決まりは必要ありません。一つでも、毎日でなくても構いません。自分の行動を事実として確認することが目的です。
方法2.よかったことや助かったことに目を向ける
一日の終わりに、よかったことや助かったことを一つ思い出します。「天気がよかった」「予定より早く終わった」「声をかけてもらった」など、小さなことで十分です。
感謝したことを書き留める取り組みは、心理的なウェルビーイングに小さな改善をもたらす可能性が報告されています。ただし、つらい状況で無理に感謝を探したり、嫌だった出来事を前向きに言い換えたりする必要はありません。思いつかない日は、何も書かなくても大丈夫です。
方法3.自分への言葉を、現実に合う表現へ変える
「自分は何をやっても駄目だ」と感じたときは、事実と評価を分けます。
- 「全部失敗した」ではなく、「今回は期限に間に合わなかった」
- 「自分には無理」ではなく、「今の方法では難しかった」
- 「もっと頑張らないと」ではなく、「次に何を一つ変えられるか」
自分で信じられないほど肯定的な言葉を繰り返す方法は、すべての人に合うとは限りません。自己肯定感が低い人では、現実と離れた肯定文によって気分が悪化したという研究もあります。無理に褒めるよりも、起きたことを限定し、次にできることを考える方が取り組みやすい場合があります。
方法4.結果ではなく、取り組んだ行動を認める
「成功したから価値がある」と考えると、失敗を避けたくなることがあります。結果だけでなく、途中で行ったことにも目を向けます。
- 分からないままにせず調べた
- 一度休んでから再開した
- 自分の考えを相手に伝えた
- 難しいと判断して助けを求めた
子どもに伝える場合も、「すごい」「偉い」だけではなく、「分からないところを聞けたね」「別のやり方を試したね」と、見えた行動を具体的に言葉にします。
方法5.睡眠や身体の状態を整える
睡眠、食事、身体活動だけで自己肯定感が直接高まるわけではありません。しかし、睡眠不足や強い疲労が続くと、気持ちを整理したり、物事を落ち着いて捉えたりすることが難しくなります。
まずは、起きる時刻を大きくずらさない、短い散歩や軽い運動を取り入れる、疲れている日は課題を減らすなど、生活の土台を確認します。必要な睡眠時間や無理のない運動量には個人差があります。
方法6.人との比較から少し距離を取る
人との比較は、自分の目標を考える参考になることもあります。一方、SNSや身近な人と比べるたびに自分を責めてしまう場合は、比較する情報や時間から距離を取ります。
「他の人よりできたか」ではなく、「以前より分かるようになったこと」「自分に合う方法が見つかったこと」を振り返ります。成長が見えないときは、できなかった理由を性格だけに求めず、課題の量、時間、環境、手助けの有無も確認します。
方法7.うまくいかない自分にも、厳しくしすぎない
失敗したときに、「こんなことで困るのは自分だけだ」と考えると、苦しさが強くなります。「今は困っている」「同じ状況なら誰でもつらいかもしれない」と、自分の状態をそのまま言葉にします。
自分の苦しさに気づき、必要以上に責めずに接する態度は「セルフ・コンパッション」と呼ばれます。自己肯定感とは別の考え方ですが、両者には関連があり、セルフ・コンパッションに焦点を当てた介入が自己肯定感の改善に役立つ可能性も報告されています。ただし、研究方法や対象者にはばらつきがあり、誰にでも同じ効果があるとは限りません。
続けられないときは、方法を小さくする
習慣が続かなかったことを、新たな失敗にする必要はありません。毎日を週に一度へ、三項目を一項目へ、文章を一言へと小さくします。記録すること自体が負担なら、記録せずに誰かと話す方法でも構いません。
強い落ち込みや不安が長く続く、眠れない、食事が取れない、学校や仕事、家庭生活に大きな支障が出ている場合は、習慣だけで解決しようとせず、医療機関や地域の相談窓口などに相談してください。
子どもの自己肯定感を考える保護者の方へ
子どもに「自信を持って」「自分を好きになって」と伝えるだけで、気持ちが変わるとは限りません。大人にできるのは、子どもの気持ちを急いで変えることではなく、安心して試せる条件を整えることです。
- 課題を取り組める大きさに分ける
- 本人が選べる部分をつくる
- 結果だけでなく、試した方法を具体的に伝える
- 困ったときに助けを求めてもよいと伝える
- 失敗した後に戻れる方法を一緒に考える
褒める回数を増やすことだけが目的ではありません。本人が「できた」「自分で選べた」「分からないと伝えられた」と実感できる経験を、大人が一緒に確認します。
カラフルで大切にしていること
カラフルでは、ゲーム制作、プログラミング、イラスト、動画、工作など、子どもの興味を活動の入口にしています。活動を行えば自己肯定感が必ず高まるとは考えていません。
本人に合う課題の大きさや伝え方を探しながら、考える、試す、助けを求める、作品について伝えるといった経験を重ねます。できた結果だけでなく、本人が選んだことや工夫したことも一緒に振り返ります。
まとめ
自己肯定感は、一つの習慣で急に高めるものではありません。できた行動に気づく、自分への言葉を現実に合う形へ変える、身体の状態を整える、人との比較から距離を取るなど、今の自分に合う方法を一つずつ試します。
うまく続かないときは、意志の弱さと考えるのではなく、方法や量が自分に合っているかを見直してください。
参考資料
- Orth U, et al. Development of self-esteem from age 4 to 94 years: A meta-analysis of longitudinal studies. Psychological Bulletin. 2018.
- Wood JV, et al. Positive self-statements: Power for some, peril for others. Psychological Science. 2009.
- Davis DE, et al. Thankful for the little things: A meta-analysis of gratitude interventions. Journal of Counseling Psychology. 2016.
- Thomason S, Moghaddam N. Compassion-focused therapies for self-esteem: A systematic review and meta-analysis. Psychology and Psychotherapy. 2021.
- 厚生労働省:健康づくりのための睡眠ガイド2023
- 厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
