STEAM教育とは?ものづくりや表現から見つける、子どもの「好き」と得意

最終更新日:2026年10月15日
STEAM(スティーム)教育とは、科学、技術、工学・ものづくり、芸術・文化など、数学を別々に学ぶのではなく、何かを作ったり課題を解いたりする中で組み合わせて学ぶ考え方です。
たとえばゲームを一つ作るだけでも、キャラクターの動きを組み立てる、ルールを考える、絵を描く、点数を決めるといった作業があります。どの作業に夢中になるか、どこで力を発揮するかは、子どもによって違います。
この記事では、STEAM教育の意味を具体例で説明し、子どもの「好き」や得意を見つける手がかりと、家庭でできる関わり方を紹介します。
STEAM教育とは

読み方と5つの分野
STEAMは、5つの分野の英語の頭文字を並べた言葉で、「スティーム」と読みます。
- Science:科学
- Technology:技術
- Engineering:工学・ものづくり
- Arts:芸術・文化など
- Mathematics:数学
STEAM教育の特徴は、分野ごとに切り分けずに学ぶ点にあります。制作や課題解決の中で、そのとき必要な知識や方法を組み合わせていきます。
STEM教育との違い
STEAMからArtsを除いた「STEM(ステム)」という言葉もあります。科学・技術・工学・数学の4分野を指します。
文部科学省は、STEMに加えて、芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理などを含めた広い範囲で「A」を定義しています。日本の学校教育でいうSTEAMの「A」は、美術や音楽に限らず、暮らしや社会に関わる幅広い分野を含んでいます。
文部科学省の位置づけ
文部科学省は、次のような資質・能力の育成が求められているとしています。
- 文系・理系といった枠にとらわれず、各教科等の学びを基盤とする
- さまざまな情報を活用し、統合する
- それを課題の発見・解決や、社会的な価値の創造に結び付ける
そのための教科等横断的な学習として、文部科学省はSTEAM教育等を推進しています。
一つの作品に含まれる、いくつもの学び
ゲームを作る場合
オリジナルのゲームを作る活動にも、さまざまな分野が含まれています。
- ゲームを動かすプログラム:Technology
- ルールや仕組みを考えること:Engineering
- キャラクターや世界観を作ること:Arts
- 得点や時間を設定すること:Mathematics
ジャンプしたキャラクターが落ちてくる動きを調整するときには、ものが落ちる様子を思い浮かべながら考えることになり、Scienceの見方にも触れます。
ロボットを作る場合
ロボット制作では、ブロックを組み立て、モーターやセンサーを接続し、プログラムを入力して動きを確認します。形、力、距離、順番、デザインなど、複数の視点を使いながら一つの作品を完成させます。
一つの作品で5つの分野すべてを学ぶ必要はありません。作りたいものに近づくために、必要な知識や方法をその都度選び、組み合わせていきます。
「好き」と得意を見つける手がかり
いろいろな入口に触れてみる
子どもが何に興味を持つかは、実際に体験してみなければ分からないことがあります。
プログラミングには興味を示さなくても、キャラクター制作からゲーム作りに夢中になるかもしれません。工作が好きな子が、ロボットを動かすためにプログラミングへ関心を広げることもあります。
夢中になる工程に目を向ける
同じ制作活動でも、子どもによって得意な工程は異なります。アイデアを考えることが得意な子、丁寧に組み立てることが得意な子、操作方法を覚えることが得意な子、作品について説明することが得意な子もいます。
一つの活動にいくつもの工程があるため、「作るのが好き」の中身を、もう少し細かく見ることができます。
うまくいかなかったときの様子を見る
ものづくりでは、最初から思いどおりに完成するとは限りません。プログラムの順番を変える、ブロックの位置を直す、使う素材や表現方法を変える。試した結果を見ながら、別の方法を考えていきます。
直し方にも、その子らしさが表れます。何度も試す子もいれば、手を止めて考える子、人に聞いてみる子もいます。どの方法にも、その子なりの工夫があります。
作品について話す
完成した作品は、自分の考えや興味を人に伝える手段にもなります。「ここを工夫した」「この部分がお気に入り」「次はこんなものを作りたい」と作品について話すことで、自分の考えを整理できます。
友だちの作品を見ることも、新しい表現や考え方に触れる機会です。作品を見せ合い、教え合う中で、一人では思いつかなかったアイデアが生まれることもあります。
小さな「できた」に目を向ける
大きな作品を一度で完成させることだけが、制作活動の成果ではありません。
素材を自分で選べた。道具を操作できた。プログラムを一つ動かせた。困ったときに質問できた。途中でやめずに、もう一度試せた。
こうした小さな「できた」も、子どもにとって大切な経験です。完成した結果だけでなく、自分で選んだこと、試したこと、工夫したことにも目を向けると、本人が自分の変化に気づくきっかけになります。
家庭でできること
特別な教材がなくても、家庭で子どもの「好き」や得意に目を向けることはできます。日常の中で取り入れやすい関わり方を紹介します。
作ったものを、本人の言葉で説明してもらう
ゲームの中で作った建物、描いた絵、組み立てたブロック。「どこを作ったの?」「ここはどうなっているの?」と聞いてみると、子どもが何にこだわったのかが見えてきます。
上手に説明できなくても構いません。指さしたり、画面を見せたりすることも、その子なりの伝え方です。
途中の工夫を言葉にする
完成したときに「できたね」と声をかけるほかに、途中で見ていたことを言葉にする方法もあります。たとえば「ここは何回も直していたね」「色を変えたんだね」と伝えることです。本人が気づいていなかった工夫を、周りの大人が伝えることになります。
興味の広がりを急がない
同じ遊びを繰り返しているように見えても、本人の中では少しずつ作り方が変わっていることがあります。新しい活動は、本人が「ほかのこともやってみたい」と言ったときに勧めるのでも遅くありません。
カラフルの創作活動について
子どもの頃に出会った活動が、すぐに将来の仕事へ結び付くとは限りません。それでも、ゲームを自分で作れると知ることや、イラストや動画で気持ちを表現すること、機械が動く仕組みに興味を持つことは、「もっとやってみたい」という気持ちのきっかけになることがあります。
浦安市のカラフルでは、子どもの「好き」を入口にした創作活動を大切にしています。カラフルには、制度の異なる2つのサービスがあります。
| 放課後等デイサービス カラフル | 日中一時支援 カラフル ゲームデザインラボ | |
|---|---|---|
| 対象 | 小学1年生〜高校3年生 | 年長以上(年齢は要相談) |
| サービスの内容 | 個別支援計画に基づく継続的な発達支援 | 余暇活動や日中の活動場所として利用するサービス |
| 主な活動 | デジタル創作に基礎から取り組めます | ゲーム制作、プログラミング、3Dモデリング、動画制作、イラスト・ドット絵、ロボット・ものづくり |
放課後等デイサービスは児童福祉法に基づく障害児通所支援です。日中一時支援は、障害者総合支援法に基づいて市町村が実施する地域生活支援事業です。両者は利用の手続きも異なります。ゲームデザインラボの利用には、浦安市が発行する日中一時支援の利用者証が必要です。
どちらも、パソコンやプログラミングが初めてのお子さまから始められます。興味のある方は、それぞれの支援内容や施設案内をご覧ください。
参考資料
- 文部科学省「STEAM教育等の各教科等横断的な学習の推進」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/mext_01592.html
